サイダーノート

Cidernaut


以下は雑誌inCiderJapanの第10号に掲載された記事です。


東京初となる本物のサイダーバー、今年3月にオープンしたばかりの「Cidernaut(サイダーノート)」。不運にも、オープン翌月には新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府による緊急事態宣言が発令された。日本中の飲食店が影響を受けたなか、Cidernautもテイクアウトや営業時間短縮などで対応せざるを得なかった。

それでもつぶれずにまた通常営業を再開できたのはちょっとした奇跡かもしれないが、どのみち東京のサイダーコミュニティにとっては嬉しいことだ。渋谷駅から徒歩約10分の上山町に位置するこのパブは、地域が必要としている店そのものだからだ。

コンセプトはシンプルに、アットホームな空間でリラックスしながらサイダーと食事が楽しめ、お客様同士が繋がることのできる店を目指しているという。店内には35席もあるので、思い思いに過ごすには十分なスペースだ。

ほかにもCidernautの特徴といえば、12ものタップがあるなか、ほとんどがサイダー専用だということ。生ビールも提供しているが、基本的にはサイダー8:ビール4の割合だ。価格はドリンクによって異なるが、平均するとハーフが890円、ミディアムが1190円、パイントが1450円となっている。何を頼むか迷った時は試飲してから選ぶこともできる。

フードメニューには、バラエティ豊かな特製ベーグルサンド、チップスとサラダ付き1000円 (左写真) をはじめ、生ハムとリンゴとクリームチーズはちみつ掛け(950円)、チキンアンドチップス(950円)、バッファローウィングス(820円)、ナチョス(870円)などが並ぶ。我々も大のベーグル好きなので、自家製ベーグルということがとても好印象だ。厚みのあるもちもちのベーグルに、皆さまも是非かぶりついていただきたい。

店は武田光氏と和田将玄氏が切り盛りしているのだが、2人が一緒に店を開くに至った経緯には、縁を感じるストーリーがある。

実は武田氏は、元々小さなIT企業に勤めていたのだが、その会社が突然バーとレストラン事業を始めるということで、自身も必然的に新たな業種に携わることになった。勤務時間が長く非常に忙しい時期もあったが、マーケティングやメニュー開発を任され、経営についても学ぶことができ、良い経験となったという。その後、長年の夢だった海外生活をするために日本を離れることにした。 

まずはイギリス、ロンドンに渡った。街の文化に魅了され、どうにかして日本でも同じような雰囲気を作れないかと漠然と考えるようになった。また、カンタベリーという町に1年程住んでいた頃に、サイダーに対するパッションが芽生えたのだと武田氏はいう。

「町にあったパブがパブ内でサイダーを醸造していて、それが物凄く美味しかったんです。元々サイダーは日常的に飲んでいたのですが、それには衝撃を受けたのを覚えています。日本にこんなサイダーが飲めるところがあれば良いのにと思ったのが、今の原点の一つです」

さらに、日本に戻ってきてから、ロンドン時代に知り合った後輩がパブで働いていると耳にした。もちろん、その後輩というのが和田氏だったのだ。サイダーパブの計画を話したら、和田氏も積極的に乗ってくれ、そこからどうなったかは語るまでもないだろう。

さて、Cidernautの店名の由来だが、“cider(サイダー)”と“astronaut
(アストロノート=宇宙飛行士)”が巧みに混成されており、なぜこの名を選んだかというと、武田氏と和田氏自身がサイダーの探究者、探索者として、人々をサイダーへ導く伝道師のような存在になりたいという思いが込められているのだ。すでに高いモチベーションと熱意を見せてくれている彼らに幸運を祈ると同時に、皆さまが次に渋谷を訪れた際には店へ行くことをおすすめする。

世界各地のさまざまなサイダーをタップで飲み比べられる素敵な場所、それがCidernautだ。ひとりでも楽しめるが、友人と行っても良し、カウンター席に座って新たな出会いを求めても良し。また、スタッフ一同とてもフレンドリーなので、知りたいことがあれば色々と教えてくれるだろう。

もちろん、サイダーのお供にベーグルもお忘れなく。そのためだけにでも行く価値がある美味しさだ。武田氏がイギリスで食べた、忘れられないベーグルの味を日本でも再現しているのだ。将来“Baglenaut”に期待してしまうかも?

Cidernaut 営業時間
12:00〜23:30 不定休

CIDERNAUT
〒155-0047 東京都渋谷区神山町 16-4
TEL: 080-6934-5638
https://www.facebook.com/cidernaut/


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